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産業医から 産業医 中田

 
 
産業医から見た大学の安全衛生
  講師(西千葉地区産業医)  中田 暁


 平成16年4月以来、工学部・薬学部などを中心に西千葉地区の産業医巡視を行ってまいりました。また折にふれキャンパスを見ていて、気づいたことをお伝えしたいと思います。私は一般企業で7年間専属産業医を行っておりました関係で、どうしても企業と比較してしまいがちになる面はありますが、製造中心の企業と研究・教育中心の大学とではその安全衛生のありかたも自ずと異なることを実感しています。例えば大学では企業と比べ多種類の化学物質を扱っています。それだけ管理が難しい面もありますが、各研究室がそれぞれの工夫をして対処していることもわかりました。ただ、安全面について言えば、大学にはまだまだ改善すべき箇所があるのも事実です。例えばガスボンベが廊下に寝かせて置いてあったり、実験室内のガスボンベに転倒防止措置がほどこされていなかったりするケースもありました。そこで今回は、職員・学生の皆さんに守っていただきたいことをいくつか列挙します。


  1. 実験台の上には実験に必要なもの以外は載せない。
  2. 万一、実験室から避難しなければならない事態になった場合の避難経路を確認しておく。
  3. 地震の際、上からものが落ちてくる危険性があれば、あらかじめ危険を取り除いておく。
  4. 有機溶剤など有害な物質を扱う時は、ドラフト(局所排気装置)内で行うか、やむをえずドラフト外で行わなければならない場合は必ず換気扇を回し、しっかり換気をする。
  5. 窒素ボンベが置かれている実験室もたくさんあります。「窒素は空気の80%を占める気体であるし、可燃性もないから漏れても大丈夫」と思ったら大間違いです。知らぬ間に窒素が漏れ、室内の酸素濃度がどんどん下がり酸素欠乏→窒息という危険があることを忘れないでください。
  6. 窒素以外にも酸素、水素、アルゴンなどのガスボンベが実験室内に置かれています。予算が許せば実験室外に置いた方が安全ですので将来はその方向で改善をお願いしたいのですが、現段階ではすべてのボンベを室外に置くのは予算的にもスペース的にも難しい状況です。したがって配管が折れ曲がっていないか、古くなっていないか、接続部からの漏れはないか常時注意していてください。


これ以外にも、危険はどこにでも潜んでいますので、細心の注意を払って皆さんに安全なキャンパスライフを送っていただくことを切望します。その際、平成16年に当機構が発行し、全職員に配布された「安全衛生管理マニュアル」をご活用ください。
  

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