今回はお口の健康について少しお話ししたいと思います。
みなさんは厚生労働省と日本歯科医師会が提唱している「8020運動」と言う言葉を知っていますか?
80歳になっても自分の歯を20本以上残し、何でもおいしく食べられる健康な生活を目指す運動です。いまや人生80年の時代ですが、日本人の歯の平均寿命は50年。
あとの30年は、歯なしですごさなければなりません。歯を失うと噛めなくなるのは当然のこと、他にも最近研究ではお口の健康が、
体全体の健康と大変密接な関係にあることがわかってきています。
いつまでも健康でいるには、正しい知識と日常のお口のケアが大切です。
- 虫歯について
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虫歯のリスクファクター
砂糖の入ったものを食べるとお口の中の虫歯菌(ストレプトコッカス、ミュウタンス菌)などが砂糖を原料にしてグルカン(ねばねばしていて虫歯菌を歯にくっつける) をつくります。これによって歯につけられた細菌の塊が歯垢です。そして虫歯菌は糖質を栄養にして酸をだし硬いエナメル質を溶かします。これが虫歯です。歯を磨かず、ダラダラと時間を決めずに食べていると口の中の衛生状態が悪くなり、虫歯の原因となります。
虫歯のリスクファクター- 食べたらすぐ磨く。またはブクブクうがいをする習慣を!
- バランスのとれた食事をして歯質を強化!
- だらだらと間食をしない!
- 定期健診をうけ予防、早期発見に心がける!
- 歯周病について
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大人の病気だと思われていた歯肉炎、歯周炎などの病気(歯周病)が現在では小学生から増えてきています。厚生労働省歯科疾患実態調査によると歯周病にかかっている人の割合は全体で68.07%と年々増加してきています。歯周病の原因は歯と歯ぐきの境目にたまる歯垢です。虫歯と違い痛みなどがなく気がついた時は重症になっているこわい病気です。「まだまだそんな病気関係ない!」と思っていると40歳位で総入れ歯なんてことも!!
症状- 歯ぐきが赤くはれる。
- 歯を磨くと出血する。
- 冷たいものが歯にしみる。
- 歯がぐらぐらする。
- 朝起きた時口の中がネバネバする。
- 口臭がひどくなる。
- 歯間乳頭が赤く丸くなっている。
- 歯周病にならないためには
歯周病にならないためには
- 正しいブラッシングで健康な歯ぐきに!
- ラーテスター(歯垢染色剤)で磨き残しがないか時々チェック!
- 定期健診をうけ予防、早期発見に心がける!
- 不規則な生活、ストレスなどはためない!
- 虫歯、歯周病の3大予防法
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虫歯、歯周病を予防する方法には大きく分けて3つあります。
第1に歯質を強化する方法です。この代表がフッ素です。フッ素はお茶の葉や海産物に多く含まれています。フッ素は歯の表面に塗るとハイドロキシアパタイトという成分とくっつき、酸に抵抗のあるフルオロアパタイトを形成し、エナメル質の酸への抵抗力を強める働きがあります。エナメル質はいったん強くなると、簡単に酸にとけることはないのでフッ素を使った歯質強化をすれば虫歯になりにくくなります。簡単に利用できるものにフッ素入りの歯磨き剤があります。その他には歯科医院で行っている、フッ素溶液でブクブクうがいをする方法やフッ化物溶液を綿棒や歯ブラシで歯の面に塗布する方法があります。 第2に虫歯菌のすんでいるプラーク(歯垢)を除去する方法です。かみ合わせの溝や歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目に歯垢がたまりやすくよく残りがちです。歯並びの悪い人はフロスや歯間ブラシを併用して使うといいでしょう。ハブラシの持ち方は鉛筆持ちですると歯や歯ぐきに無理な力がかかりません。普通のハブラシで長時間磨けない人は電動ハブラシがおすすめです。その他にもながら磨きもあります。お風呂に入りながら、音楽を聴きながら、TVを見ながら....。 第3に虫歯菌の餌になる砂糖の取り方を変える方法です。最近キシリトールと言う言葉を耳にすると思います。キシリトールは天然素材の甘味料でシラカバやカシを原料におもにフィンランドで生産されています。私達の身近なところではイチゴ、ラズベリーや、レタス、ほうれん草、カリフラワーにも含まれています。甘さは砂糖と同じでカロリーは25%低いのです。 フィンランドでは食事の後と寝る前に必ずキシリトール入りガムをかむそうです。
どうでしたか?
いつまでも快適な人生を送るためにも食生活を含めた生活の見直しと、日常のお口のケアをもう一度見直してみて下さい。