うつの人への接し方について
皆様の周囲で元気がない人、憂鬱な表情をしている人はいないでしょうか?抑うつ状態には人間関係、つらい出来事、身体の病気、薬の副作用等々、さまざまな原因でなります。多くの人は原因となったことが解決したり、時間が経過すると自然に抑うつ状態も改善しますが、中にはうつ病として治療しなくてはならない人もいらっしゃいます。また、うつ病は特に思い当たるような原因がなくてもなることがあります。今回は身近で見かける可能性があるうつ病、あるいは抑うつ状態が重症になっている人に対してどのように接したらよいかということをテーマにします。
まず、うつ病では集中力や思考力が低下し、これまで簡単にできていたことに時間がかかったりできなくなることがあります。こうなると自信がなくなり、周囲に申し訳ないと自分を責めてしまう人もいます。周囲の人は“自分では頑張っているのに思うようにできない”状態に対して理解を示し、焦らず休みをとることも必要と休養を促すことが重要です。うつ病は薬でよくなる場合が多いので、早めに専門医の診察を受け、主治医の指示に従って通院・服薬を守ることが大切です。未受診の方には受診を勧め、通院中の方には通院や服薬を中断していないかさりげなく確認することが改善のために必要と言えます。また、やりたいことが思うようにできずに焦っている人がいた時には、病気が良くなったらまたできるようになるので焦らないようにと伝えることも有効な助言となります。
次に、うつ病や重症の抑うつ状態になると判断力・決断力が低下します。このため、自分で決めなければいけないことがあるとなかなか決められないことで悩んだり、無理に決断して後で後悔することがあります。周囲の人はこのような時には無理をさせないで、決断しなくてはならないことは状態が改善してからにすることができるように配慮してあげることが必要です。
抑うつ状態というのは1日の中でも、治療経過の中でも良くなったり悪くなったりするものです。少し良くなったからといって外出や仕事、勉強のペースを上げることを勧めたり、少し悪くなったからといって“もう治らない、絶望的だ”と思い込んでしまうなど、一時的な症状の改善や悪化に一喜一憂しないことも重要です。
うつ病やうつ状態が重症になっている人は、皆様の接し方だけでも早く良くなる手助けとなることがありますし、反対に悪化させることもあり得ます。対応に困るようなことがありましたら気軽に総合安全衛生管理機構ご相談ください。
2014.2.28