電車の中でお腹が痛くなってトイレに。。。
通学途中の電車の中でお腹が痛くなってトイレのために電車を降りてしまう、これから試験だというのにお腹が痛くて下痢をしている。明日は大事なゼミの発表なのになんとなくお腹の調子が悪い。。。。体質だと思ってあきらめていないでしょうか。ひょっとするとそれは「過敏性腸症候群」かもしれません(以前、テレビのCMでもありました)。

  「過敏性腸症候群」とは、腸の検査で明らかな異常がないにもかかわらず、お腹の症状と便の異常が繰り返しでる病気で、いわゆる「機能性胃腸障害」のひとつです。日本を含む先進国に多く、日本人の10-15%にみられるという統計もあります。20歳〜40歳代、特に思春期から青年期の若い世代に多くみられます。根本的な原因はいまだ明らかにされていませんが、ストレスが症状を悪化させることはよく知られています。単に体質だとあきらめるのではなく、「過敏性腸症候群」という病気があり、ある程度対策がたてられるということを知って頂きたいと思います。
 医療機関ではまず第一段階として危険な胃腸の病気がないということを検査で確認します。そうした病気がない場合、「ローマIII基準」という基準を参考にしながら診断を進めてゆきます。この診断基準はご自身の症状と照らし合わせるのにも参考になりますので、以下に記載しておきます。

<RomeIII基準> 反復する腹痛または腹部不快感が、最近の3ヶ月のうち少なくとも1ヶ月に3日以上存在し、それらの症状が以下の3つのうち2つ以上を伴うこと
(1) 症状が排便により軽快する
(2) 症状の発現が排便頻度の変化を伴う
(3) 症状の発現が便性状の変化を伴う
*症状は診断時から少なくとも6ヶ月以前に発現し、少なくとも最近の3ヶ月において診断基準を満たすこと

 いかがでしょうか? 
 治療には生活療法、薬物療法、心身医学的治療などが行われています。一度お医者さんに相談してみると、体質としてあきらめていた症状に解決策が見いだされるかもしれませんよ。
2015.4.13